よくある雑記帳

質問箱への回答の具体化版、育成論に起こすほどではないor育成論の形式に反する考察を雑に投げていきます。

エースバーンの対策について

6月5日深夜、エースバーンがシングルバトル使用率1位となった。

「ズキュントス」をごぼう抜きしての1位の経緯

剣盾のランクマッチでは、「ドリュウズミミッキュカビゴン・ドラパルト・トゲキッス」の5体からなる、環境使用率上位5体を連ねた構築「ズキュントス」が、いわゆる結論パとして扱われていた。しかし、6月2日にエースバーンの新特性「リベロ」が解禁されると、破竹の勢いで使用率を伸ばし、6月5日深夜、日付が変わる頃にはシングルバトルでの使用率は「ズキュントス」を追い抜いて1位に達した

リベロ」のエースバーンの強さについては、本ブログの前記事

【解禁】新特性「リベロ」エースバーン考察 - よくある雑記帳

でも述べた通りであり、「どうあがいても強特性」であるこのポケモンが使用率上位に位置すること自体は、さほど驚くことではないが、よもやこうもあっさりと「ズキュントス」を上回るとは思っていないかったプレイヤーも多く、ツイッター上では動揺の声が上がり、同時に「コイツどうやって対策するんだ」という考察が盛んに行われるようになった。

エースバーン対策になるポケモン

では、実際にランクマッチでエースバーンと対峙する上で、どのようなポケモン・型を採用すれば、対策になりえるのか。以下にこの数日でみかけた意見をまとめた。

カバルドン

地面タイプの単タイプでありエースバーンに弱点を突かれず、また、物理耐久が非常に高いため、エースバーンの攻撃を受けて耐えた上で、「あくび+ふきとばし」や「砂嵐+ステルスロック」で、流したり削ったりすることができる。「ふきとばし」はダイマックスポケモンには無効であり、初手ダイマックスを切られることが珍しくないエースバーン相手には注意が必要だが、「あくび」で眠らせるあるいは交代を強いることで、ダイマックス対策を行うことも可能である。

性格補正なし攻撃252振りエースバーン(いのちのたま)の「かえんボール」

…B特化カバルドンに36.7~44.1%

性格補正なし攻撃252振りエースバーン(いのちのたま)の「ダイバーン(140)」

…B特化カバルドンに43.7~51.6%(晴れ補正込みで65.1~76.7%)

上記のダメージ計算結果から、「オボンのみ」並みの回復ソースがあれば2連ダイバーン程度までであれば耐える可能性があることがわかる。

⑵ウオノラゴン

水・ドラゴンタイプの高火力アタッカーであり、「エラがみ」を先制で使うことができれば、ダイマックス中のエースバーンであっても、晴れていなければ確定1発で倒すことが可能になる。準速で「こだわりスカーフ」を持つことで最速エースバーン抜き+1の素早さを得ることができるので、上から殴り倒す方針で対策するのであれば、かなりの適任であるといえる。

A特化ウオノラゴン(がんじょうあご)の「エラがみ(先制)」

…無振りエースバーン(炎タイプ)に276.1~326.4%

上記の通り、晴れや等倍であってもダイマックスされなければ確殺できるほどの火力で殴ることが可能である。

どうせ「エラがみ」が通らない相手にはあまり火力が期待できないポケモンなので、水の通る相手に圧力をかけつつ、脳筋にエースバーンを倒してしまうことをメインに動かしていくといいだろう。エースバーンに「ダイジェット」を使って素早さを積まれる前に対面させてしまいたいところである。

ヒートロトム

炎・電気という優秀な複合タイプであり、エースバーンの攻撃をすべて等倍以下に抑えられるだけでなく、「相性的にエースバーンに炎技を選ばれない」ことから、「タイプが炎でなくなったエースバーンに『おにび』を使い、火傷状態にすることで物理火力を削ぎ、起点にしてしまう」という戦法がとれる。HP252振りだけでもエースバーンの「とびひざげり」程度は耐えるため、調整如何でかなり安定した立ち回りが可能になる。

性格補正なし攻撃252振りエースバーン(いのちのたま)の「とびひざげり

…HP252振りヒートロトムに80.2~95.5%

また、「おにび」以外にも、「でんじは」や「トリック」など、相手を妨害する補助技が豊富であるため、火傷以外にも様々な手段で、対エースバーンに限らない幅広い起点づくりをこなせるポケモンと言える。ミトムでも可。

尚、シャンデラでも近い立ち回りができ、シャンデラであれば弱点である「ふいうち」を誘いながら変化技で犠牲無く起点化を狙ったり、相手の「とびひざげり」に合わせて受けだしすることで無償降臨+相手にダメージを狙うことができる点で有利である。一方でこちらは「ダイアーク」に弱いため注意が必要。

ドサイドン

幸いなことにエースバーンは「くさむすび」をはじめとする草技を覚えることができないため、特性「ハードロック」を持つドサイドンを採用することで、最終的に殴り勝つことが可能である。エースバーンが変化できるタイプのうち、ドサイドンとの対面であまり使いたくないであろう飛行タイプを除けば、炎・格闘・エスパー・悪・電気など、地面の通りがとても良い(「とんぼがえり」は使われたら交代されることに加え、「ダイワーム」をドサイドンに敢えて使うことは少ないと思われるため除外)ことも魅力いとつ。

性格補正なし攻撃252振りエースバーン(いのちのたま)の「とびひざげり

…HP252振りドサイドン(ハードロック)に73.8~86.9%

A特化ドサイドンの「ダイアース(130)」

…無振りエースバーン(地面等倍のタイプ)に105.1~124.5%

じゃくてんほけん」による火力増強を踏まえれば、十分な殴り勝つ可能性があることがわかる。

ミミッキュ

結局全部こいつでいい。「『ばけのかわ』による行動保証によって、『こうこうのしっぽ』を『トリック』で押し付けて起点化する・トリックルーム』で相手の高い素早さをデメリットに仕立てる」といった妨害に加えて、「みちづれ」によって無理やり1:1交換に持ち込んだりできる。「みちづれ」はダイマックスしているポケモンには効果がないため、初手ダイマックスが珍しくないエースバーンを相手に使うときは注意が必要。「『こうこうのしっぽ』を押し付けて『みちづれ』」の戦法は、ミミッキュに限らずカラマネロなどほかのポケモンでも可能だが、やはり「ばけのかわ」による安定性が並外れている。

ミロカロス

「ふしぎなうろこ」のミロカロスで、くろいきり」などで相手の積みを妨害するなどの立ち回りが可能である。物理受けの定番となっていたアーマーガアやナットレイが炎技で焼かれてしまうので、エースバーンを意識するのであれば、こういった水タイプの物理受けが有効になる。

性格補正なし攻撃252振りエースバーン(いのちのたま)の「ダイジェット(130)」

…B特化ミロカロス(ふしぎなうろこ)に37.1~44.5%

「ダイナックル」で攻撃を積みながらゴリ押されると不安であるが、基本的には「じこさいせい」で回復が間に合うようなダメージになっている。

水タイプの物理受けとしては、「ちからをすいとる」を用いて火力を削ぎつつ回復して受けを成立させるブルンゲル等も挙げられる。

⑺サンダース

奇を衒った「対面起点作成型」のサンダースで、初手ダイマックスのエースバーンを徹底的に妨害することができる。臆病で100-0-236-0-0-172振りすることで、以下のような耐久を得るため、「オボンのみ」を持って上から「あまえる→あまえる→こらえる」といった動きで、エースバーンのダイマックスターンを枯らしながら、攻撃を4段階下げるといった働きが可能である。

性格補正なし攻撃252振りエースバーン(いのちのたま)のA2↓「ダイバーン(140)」

…HP100防御236振りサンダースに51.6~62.0%

性格補正なし攻撃252振りエースバーン(いのちのたま)のA4↓「ダイバーン(140)」

…HP100防御236振りサンダースに晴れ補正込みで51.6~62.0%

また、隙を見せれば「でんじは」により素早さも奪うことができるため、対面から流したり起点にしたりする上では、それなりの活躍も期待できるように思う。余った1枠には攻撃技として、「10まんボルト」などを採用するのが堅いか。

尚、似たような種族値ポケモンにパルスワンがいるが、同じ条件で調整を行う場合、パルスワンは上記の攻撃を確定耐えにできないのに対し、サンダースであれば確定耐えが実現するため、本記事ではサンダースを採用している。

 

備考:今回の記事ではエースバーン単体への対策の考察を扱ったため、エースバーンとよく一緒に採用されている水タイプやゴリランダーなどと併せての、構築単位での対策については触れていません。

*本記事はあくまで筆者の見解を示したものであり、ランクバトルにおける今後の展開を予言したり、対戦における実績を保証するものではありません。